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2010 年度 実績報告書

角膜潰瘍の形成機序及びその新規治療薬の開発

研究課題

研究課題/領域番号 21791687
研究機関山口大学

研究代表者

木村 和博  山口大学, 医学部附属病院, 講師 (60335255)

キーワード角膜 / 潰瘍 / 病原微生物 / コラーゲン
研究概要

角膜潰瘍は,角膜実質を構成するコラーゲンの過剰分解がその本態であると考えられる.これまでの組織学的検討から角膜潰瘍周辺に角膜実質細胞,活性化した角膜線維芽細胞,浸潤してきた好中球などの炎症細胞が認められることが明らかとなっている。中でもコラーゲン分解の中心的役割を角膜線維芽細胞がはたいしていると考えられる。感染性角膜潰瘍は臨床上見かける頻度が高く,抗菌薬のみで感染初期なら治癒することが多い。しかしながら,ある程度進行した角膜潰瘍ではすぐには治癒にいたらず,さらに進行することがしばしば臨床の場でみかける.病原微生物の死滅のみでは,角膜潰瘍形成は十分に阻害できないことを意味する。本研究では,角膜潰瘍のメカニズムを明らかにし特異的な角膜潰瘍の治療薬開発を本研究の目的としている。病原体由来のLPS, Poly : IC, Zymosanなどに反応し,種々のサイトカイン,ケモカインおよびコラーゲン分解酵素であるマトリックスメタロプロテアーゼの発現,分泌を亢進させることを明らかにした。特にLPS, Poly : IC, Zymosanにてヒト角膜線維芽細胞を刺激すると、濃度及び時間依存性に種々のサイトカイン、ケモカインの発現、分泌が亢進した。中でもIL-6, IL-8及びMCP-1の三つが,LPS, Poly : IC, Zymosanで共通に分泌発現が亢進した。LPS及びPoly : ICはICAM-1, VCAM-1の発現を亢進させたが,一方でZymosanはそれらの発現に影響をおよぼさなかった。LPS,及びPoly : ICは,さらにMMP-1,2,3,9の発現分泌を亢進させた。Zymosanは,MMPの発現には影響を及ぼさなかった。本研究結果は,角膜潰瘍の発症機序の解明に大きく寄与し,薬物開発において新たな標的分子の開発につながると思われる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Up-regulation of matrix metalloproteinase expression by poly(I:C) in corneal fibroblasts : role of NF- κ B and interleukin-1 β.2010

    • 著者名/発表者名
      Kazuhiro Kimura
    • 雑誌名

      Invest Ophthalmol Vis Sci.

      巻: 51 ページ: 5012-5018

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Quantitative analysis of the effects of extracellular matrix proteins on membrane dynamicsassociated with corneal epithelial cell motility.2010

    • 著者名/発表者名
      Kazuhiro Kimura
    • 雑誌名

      Invest Ophthalmol Vis Sci.

      巻: 51 ページ: 4492-4499

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Role of the ubiquitin-proteasome pathway in downregulation of the gap-junction protein Connexin43 by TNF-{alpha} in human corneal fibroblasts.2010

    • 著者名/発表者名
      Kazuhiro Kimura
    • 雑誌名

      Invest Ophthalmol Vis Sci.

      巻: 51 ページ: 1943-1947

    • 査読あり
  • [学会発表] 細胞外マトリックスによる角膜上皮の細胞運動に伴う細胞膜形態変化の定量的解析2011

    • 著者名/発表者名
      木村和博
    • 学会等名
      第34回角膜カンファランス・第26回日本角膜移植学会
    • 発表場所
      宮城県 仙台国際センター
    • 年月日
      2011-02-11

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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