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2009 年度 実績報告書

線維柱帯の圧感受性と房水流出調節機構およびその緑内障病態との関連に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 21791693
研究機関熊本大学

研究代表者

井上 俊洋  熊本大学, 大学院・生命科学研究部, 助教 (00317025)

キーワード線維柱帯 / 緑内障 / 圧感受性 / アクチン / 房水流出率 / 3次元培養
研究概要

申請者がDuke大学で用いていた定圧灌流型のGrant perfusion system (Ellingsen and Grant. Invest Ophthalmol 1971)を元に、新たに電子天秤を組み込んだモデルを並列して2眼の房水流出量の測定が同時に可能となる装置を構築した。この装置は摘出ブタ眼の前房をボトルからのバッファで灌流し、ボトルの重量変化を計測することで房水流出量を算定する装置で、効果を検証するため既知の房水流出促進薬剤であるROCK阻害剤を用いたところ、コントロールと比較して30-40%の安定した房水流出促進効果を定量できた。したがって、今年度の実験で房水流出量を定量する装置を確立できたと考えられ、今後圧感受性に関わるメカニズムの探索に応用可能となった。また圧感受性に関わる因子を探索するために、線維柱帯細胞の3次元培養における加圧モデルを構築した。具体的には、コラーゲンと培地と細胞を混合した後にpHを変えることでゲル化させる。細胞はコラーゲン培地の中で3次元的に遊走・増殖するが、このコラーゲン培地に重りを乗せることで全体を加圧し、細胞の変化を観察する。骨髄線維芽細胞においては加圧によってアクチン細胞骨格の脱重合化が起こることがわかっているが、線維柱帯細胞においても蛍光標識ファロイディンを用いてアクチンを染色したところ、アクチンの脱重合化がみとめられた。この結果は圧感受性メカニズムの解明に向けて有望な知見であるが、いまだ定量化には至っておらず、今後更なる検討が必要である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Effects of chemical inhibition of N-WASP, a critical regulator of actin polymerization on aqueous humor outflow through the conventional pathway.2010

    • 著者名/発表者名
      Inoue T
    • 雑誌名

      Experimental Eye Research 90

      ページ: 360-367

    • 査読あり
  • [雑誌論文] RGS2-deficient mice exhibit decreased intraocular pressure and increased retinal ganglion cell survival.2009

    • 著者名/発表者名
      Inoue-Mochita M
    • 雑誌名

      Molecular Vision 15

      ページ: 495-504

    • 査読あり
  • [学会発表] 硝子体切除術既往のあるトラベクレクトミー症例の予後因子の検討.2009

    • 著者名/発表者名
      井上俊洋
    • 学会等名
      第20回日本緑内障学会
    • 発表場所
      沖縄コンベンションセンター(沖縄県)
    • 年月日
      2009-11-14
  • [学会発表] 「眼科治療のアップデート」房水流出路と眼圧下降治療薬.-細胞骨格制御薬の作用.2009

    • 著者名/発表者名
      井上俊洋
    • 学会等名
      第79回九州眼科学会
    • 発表場所
      アクロス福岡(福岡県)
    • 年月日
      2009-05-30
  • [学会発表] 線維柱帯における細胞骨格関連タンパクのプロファイル2009

    • 著者名/発表者名
      井上俊洋
    • 学会等名
      第113回日本眼科学会総会
    • 発表場所
      東京国際フォーラム(東京都)
    • 年月日
      2009-04-16

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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