研究課題
本研究の目的は、眼科領域にとどまらず全身の臓器・組織移植後に起こる血管・リンパ管新生によって引き起こされる拒絶反応を抑制することと、悪性腫瘍の多臓器・組織への転移を抑制することである。全ての実験においてマウス及びマウス細胞を用いる。平成21年度にはpodoplanin中和抗体を使用し、マウス角膜移植モデルを用い、ノーマルリスク(術前に血管侵入が存在しない)とハイリスク(術前に血管侵入が存在する)モデルにおいて、拒絶反応が抑制できるかどうかを検討した。その結果、角膜縫合モデルでpodoplanin中和抗体を使用することでリンパ管の誘導抑制が認められ、拒絶モデルにおいても(ノーマルリスクモデル)中和抗体を使用した群では拒絶反応を有意に抑制した。このことからpodoplanin中和抗体はリンパ管を抑制して、その結果抗原提示を誘導できないようにしたメカニズムが考えられる。以前から角膜移植モデルではリンパ管を抑制することで、ドナー角膜の抗原を認識したホストの抗原提示細胞がリンパ管を経由し所属リンパ節へ到達し(efferent phase)、この抗原提示細胞が所属リンパ節で抗原提示し、その結果ホスト丁細胞が角膜にもどり、拒絶反応を引き起こす経路があると考えられている(afferent phase)。今後我々はefferent phaseのみを抑制し拒絶反応を抑制することで、組織修復に必要な血管を抑制せず酸素・栄養供給保ったまま拒絶反応を抑制する研究が重要であると考える。
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Journal of Immunology 183(8)
ページ: 5013-5022
British Journal_of Ophthalmology 94(3)
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British Journal of Ophthalmology (Epub ahead of prin)
British Journal of Ophthalmology (Epub abead of prin)