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2009 年度 実績報告書

網膜変性疾患におけるステロイドの機能的役割と作用機序の分子生物学・組織化学的解析

研究課題

研究課題/領域番号 21791706
研究機関和歌山県立医科大学

研究代表者

伊藤 隆雄  和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (30315931)

キーワード神経ステロイド / 網膜 / 免疫組織化学 / ウエスタンブロット
研究概要

失明などの重篤な視機能障害を引き起こす網膜変性疾患は、アルツハイマー病などの神経変性疾患と同様に神経細胞死の異常によって発症して進行性に神経細胞の障害が進む原因不明の疾患であり、その多くは有効な治療がない。これらの発症機構を解明するために、遺伝学的アプローチによる原因遺伝子の探索やステロイドをはじめとする薬物療法などの研究が行われているが未だ十分な解明にはいたっていない。近年アルツハイマー病の研究などで大きな注目を集めているように神経変性疾患に見られるステロイドの脳内神経細胞の保護作用が、網膜変性疾患に対しても当てはまり同様の作用をステロイドが発揮するのではないかという視点から、本研究は、網膜における神経ステロイドの機能的役割および網膜変性疾患における神経ステロイドの作用機序について、分子生物学および組織化学的手法を用いて解析することを目的としている。
本年度では、正常ラット網膜を用いて各種ステロイド代謝酵素の局在を明らかにするために、各種ステロイド代謝酵素抗体を作製し、その抗体の特異性について検討を行なった。これまでに得た抗ステロイド代謝酵素抗体は、aromatase, 5α-reductase type I, type II, 5β-reductase, 3α-hydroxysteroid dehydrogenase (3α-HSD), 3β-HSD, CYP17であり、特異性の検討には、ウエスタンブロット法を行った。それぞれのステロイド代謝酵素を発現するベクターを作成し、COS-1培養細胞にトランスフェクションした後、細胞を回収したもの、および、それぞれ動物組織ホモジネートを材料として用いた。これによって抗体を用いた免疫組織化学法による各種ステロイド代謝酵素の網膜における発現、局在等を明らかにすることが可能となる。さらに胎生期からの一連の発生過程における神経ステロイドの役割、変性網膜と正常網膜との比較解析などから、網膜変性過程におけるステロイド代謝酵素と産生される神経ステロイドの関与、作用機序の解明へと展開していくことを計画している。

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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