重篤な視機能障害を引き起こす網膜変性疾患は、アルツハイマー病などの神経変性疾患と同様に神経細胞死の異常によって発症し進行性に神経細胞の障害が進む原因不明の疾患でありその多くが有効な治療法が確立していない。本研究は、網膜変性疾患の発症機序の解明および治療法の確立につながる基礎的研究という位置づけで、網膜における神経ステロイドの役割を分子生物学的および組織化学的手法を用いて解析を行った。様々な神経ステロイドを合成する酵素の網膜内での局在を調べるため、抗体を作製し、免疫組織化学法により染色を行った。これらの結果は、今後網膜変性疾患のモデル動物などを用いた研究において網膜変性疾患の原因究明、治療法の確立などへと広く展開できることが期待できる。
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