研究概要 |
角膜輪部基底層に発現するN-cadherin(N-cad)の役割を明らかにするため、組織学的解析とinvitroにおける前駆細胞の維持への影響について検討した。AQP1陽性細胞(+)は上皮直下の実質側で観察され、共焦点顕微鏡においてもAQP1+はN-cad+, Keratin(K) 15+, p63+の輪部上皮基底層直下で観察された。電子顕微鏡においては実質細胞と上皮細胞の直接的なインターラクション像を観察し、N-cad+輪部基底細胞はCa依存性にAQP1+細胞に接着した。siRNAによりN-cadの発現を減少させたフィーダーを使ったコロニー形成率は減少し、上皮シート中のK15の発現を減少させた。N-cadheriは輪部上皮細胞の前駆細胞のフェノタイプを維持するのに重要であることが考えられた。N-cadはAQP1+の間葉系のニッシェ様細胞とN-cad+輪部上皮前駆細胞の直接なインターラクションを行なうのに重要であると考えられた。
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