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2010 年度 実績報告書

Semaphorin3A阻害薬による角膜の神経再生

研究課題

研究課題/領域番号 21791712
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

大本 雅弘  慶應義塾大学, 医学部, 共同研究員 (50385241)

キーワード眼科学 / 再生医学 / 三叉神経
研究概要

まずSema3A阻害薬のマウス角膜移植モデルに対する神経再生促進効果を明らかにするため、角膜移植後、結膜下注射にて2日毎にSema3A阻害薬を投与し、対照群と比較した。再生神経の機能評価として角膜知覚を測定し、さらに、術後3週程度で摘出した角膜移植片の再生神経長を定量し、Sema3A阻害薬非投与群と比較した。移植片内の神経長の定量は、蛍光顕微鏡で撮影した像を用い、画像処理ソフト上で神経線維をマニュアルトレースし、トレースラインのピクセル数で比較した。また、Sema3AのレセプターであるNeuropilin-1(NP-1)は、VEGFのレセプターでもあることが知られているが、NP-1に対し、Sema3AとVEGFが競合的に働いているとすれば、Sema3A阻害薬により血管新生が亢進する可能性がある。角膜新生血管は、角膜が混濁する原因となるため、移植片内への新生血管を定量し、評価した。これは、CD31により描出された移植片内新生血管を画像ソフト上で解析し、Sema3A阻害薬投与群と対照群で比較した。結果として、マウス角膜移植モデルにおいて、Sema3A阻害薬投与群では、対照群と比較して、有意に移植片内への神経再生が促進されていた。Sema3A阻害薬投与群では、角膜知覚も改善されており、神経の機能が回復していることが明らかとなった。一方角膜内への血管新生は、Sema3A阻害薬を投与しても亢進していないことが認められた。これらから、Sema3A阻害薬を投与することで、角膜移植片への神経再生を促進することができたが、角膜でのSema3Aの生理作用や、Sema3A阻害薬を用いても血管新生が亢進しないメカニズムの解明など、次年度ではより詳細な検討が必要であると思われた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Simultaneous deep anterior lamellar keratoplasty and limbal allograft in bilateral limbal stem cell deficiency.2010

    • 著者名/発表者名
      大本雅弘、坪田一男, ら
    • 雑誌名

      Japanese Journal of Ophthalmology

      巻: 54(6) ページ: 537-543

    • 査読あり
  • [学会発表] Semaphorin 3A阻害薬による角膜グラフトへの神経再生促進2011

    • 著者名/発表者名
      大本雅弘
    • 学会等名
      第35回日本角膜学会総会
    • 発表場所
      品川プリンスホテル(東京)
    • 年月日
      2011-02-18

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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