研究概要 |
【目的】抗酸化酵素SOD1のノックアウト(SOD1KO)マウスにおける網膜神経節細胞(RGC)数、機能の加齢に伴う変化を解析した。【対象と方法】SOD1KO、WT(CF57/B6バックグラウンド)の網膜切片をHE染色しRGC数、網膜神経線維層厚を計測した。さらに逆行性染色を用いてRGC数を計測した。パターンERGを用いてRGCの機能を評価した。tonolaboを用いて眼圧を測定した。【結果】24週齢ではSOD1KOにおいて有意にRGC数が減少していた(切片;WT481.4±15.2個/mm,n=14,KO414.0±13.6個/mm,n=16,P<0.01,逆行性染色;WT 3448±153個/mm2,n=18,KO 2807±94個/mm2,n=20,P<0.001)。8週齢では逆行性染色で変化が無かった(WT 3478±107個/mm2,n=18 KO 3229±92個/mm2,n=16,P=0.16)。神経線維層厚は24週齢KOにおいて有意に低値であった(WT58.7±3.7μm,n=13,KO43.6±3.5μm,n=18,P<0.01)。パターンERGの振幅は24週齢KOにおいて有意に低値であった(WT7.6±3.3μV,n=12,KO 3.9±1.9μV,n=15,P<0.0001)。全視野刺激ERGでは有意差を認めなかった。眼圧は8、18、24週齢でWTおよびKO間に有意差を認めなかった(8週令WT 16.7±1.6mmHg,n=6,KO 15.6±1.8mmHg,n=5;18週令WT 17.9±1.4mmHg KO,n=5,14.6±1.3mmHg, n=5;24週令WT 14.7±0.8mmHg,n=9,KO 16.7±0.9mmHg,n=10,P>0.05)。【結論】SOD1 KOマウスでは眼圧とは関係なく、加齢と共にRGC数の減少を認め、機能低下をきたしていた
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