ラット高眼圧モデルにおいて、異常ミトコンドリアの集積かつ正常ミトコンドリアの減少が視神経篩状板近傍で認められた。眼圧上昇2及び5週間後の視神経ミトコンドリア抽出蛋白でミトコンドリア膜制御因子であるThioredoxin2(Trx2)及びAIFの減少が認められた。さらに軸索内小器官内においてAIFの上昇が認められた。網膜神経節細胞の核抽出蛋白においてAIFの上昇が認められた。さらにエレクトロポレーションによりTrx2プラスミドDNAを網膜神経節細胞に強制発現すると、緑内障による軸索変性に対し保護的に働くことがわかった。これらの結果はミトコンドリア外膜制御機構破綻によるAIFの軸索内への流入及び網膜神経節細胞内の核内移行が緑内障性視神経症に大きく寄与していることが判明した。
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