平成22年度では、平成21年度に続き、高酸素負荷虚血網膜症モデル及びレーザー誘発網膜静脈閉塞症モデルを作成し網膜無血管領域におけるastrocyteやfibronectin局在について検討することを目標とした。平成21年度ではPDGFレセプターα抗体を用いてastrocyteの検出を試みたが、同定できなかった。そこで平成21年度では異なったs-100やGFAPなど複数のマーカーを用いて、免疫化学染色、ウェスタンブロット法にてastrocyteの検出を試みた。 astrocyteは胎児期から網膜の発達と共にその局在や存在部位、発現蛋白を変化させている事がラット網膜で確認されているため、正常の乳児マウスやadultマウスで染色を試みたが、いずれもastrocyteを同定することができなかった。これはPDGF-A発現マウスでも同様であった。 本研究では、脈管形成を助けるastrocyteが網膜血管網再構築の中心的役割を担うものと位置付けている。 astrocyteが検出不能であるため、他の細胞(mesoangioblast)を用いた網膜血管網再構築を試みる予定である。末梢血由来のmesoangioblastはマウス心筋での血管再生が確認されているため、網膜においても有用な結果が得られると考えられる。
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