本年度は補助金にて購入したコンピュータを用いてVisual BasicにてProgram Kの改良行った。改良点としてまず、1. イソプタ描写アルゴリズムの改良に関しては、従来のプログラムでは応答がばらっくと一部イソプタが交差する現象が生じていた。この問題に対しては、交差した時点でコンピュータに測定を中止させるアルゴリズムを作成し、不整なイソプタ探索ループに入らないように改良した。2. 偽陽性(見えていないところで応答をする)の抑制に関しは、従来の時計回り(反時計回り)からランダムに視標を呈示できるよう変更を行ない偽陽性の抑制を行った。もちろん従来の時計回りも可能である。3. 暗点探索アルゴリズムの改良を行った。イソプタ探索が終了した後イソプタ間の間隔の広い部位を抽出し静的に暗点チェックした後、イソプタ探索アルゴリズムの逆の探索方法、つまり見えない部位から遠心的に視標を動かし暗点を探索する。また暗点の境界点が描くイソプタの内部角度を用いて正常異常判定を行いさらに追加探索を行うこととするプログラムを作成した。4. 測定時間の短縮に関しては、初期のProgram Kでは、患者応答のばらつきを制限するためすべての測定経線を2~3回測定しその平均座標を最終応答点としてきた。また最外周のイソプタ測定の始点は機器の呈示可能な最周辺座標が用いられていた。そのため症例によっては片眼約30~40分の測定時間を要する改良型のProgram Kでは定点測定を行った後、異常角度を生じた応答点部位のみを再測定することとし、また測定開始座標も隣接する応答点座標を考慮して決定できるように変更した。このアルゴリズムに変更することにより、従来のプログラムと比較し約半分片眼10~15分の時間で測定が可能となった。次年度は改良型Program KをOctopus900に搭載し実測を試みる。
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