目的)血管奇形に対して、インドシアニングリーン(ICG)とphoto dynamic eye(PDE)を用いることにより、この疾患に対する治療法である硬化療法を低侵襲で安全確実に行うことの可否を研究をおこなった。 1)現在使用しているICGの量に安全とされているが、臨床経験上さらに低濃度ものでもPDEにて描出が可能である可能性が高い。患者の安全性を考慮しつつ、高い描出性を得られるICG濃度の最適値を求める研究を行なった。これに対して高い描出性を得られるICG濃度の最適値を求める研究を行なった。結果として現在はインドシアニングリーン25mg/10mlほどを一般的な静脈注入の濃度としていたが、静脈奇形に対しては直接穿刺にて0.001mg/mlでも十分描出が可能であることがわかった。これによって非常に少量のICGにて複数回可視化が可能であることが判明した。 2)血管奇形内にICGを注入し、皮膚表面から赤外線カメラにて病変を描出することにより、血管奇形の術前評価(血流や範囲を見ることによって血管奇形に対する硬化療法が安全におこなえるか)、術中評価(硬化剤が危険なところへ血管を通して流れないかなど)に関する研究をおこなった。 具体的には透視下血管造影法を用いた血管奇形に対する硬化療法に対して、同一穿刺部位からの描出にて、PDEと血管造影検査を同一部位に施行しその差異につき検討した。結果として深部2cmまでの病変については、血管造影法と同等またはさらに高感度に描出され、安全性を確保する上で非常に有用であることが示唆された。
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