研究課題
下肢静脈瘤に対する硬化療法においては使用される硬化剤であるポリドカノールの到達範囲が臨床において簡便にみる方法がないことが問題である。我々はポリドカノールにインドシアニングリーンを添加しLED励起蛍光造影法を用いることで被曝なく外来にてポリドカノールの到達範囲を確認する方法を検討している。本年度は前年度に安全性が検討されたポリドカノールに対するインドシアニングリーンの添加による薬理学的効果の減弱の可能性を検討した。◎培養細胞を用いた細胞障害性試験株化培養ウシ肺動脈血管内皮細胞およびヒト臍帯血管内皮細胞を用いてインドシアニングリーン添加によるポリドカノール製剤の細胞障害性に与える影響を検討した。ポリドカノール1%2mlに様々な濃度のICGを添加し、それぞれについて希釈系列を作成。MTS試薬を用いてそれぞれの生細胞数と比例する吸光度を測定し細胞障害性を算出した結果、それぞれの濃度、希釈系列に置いてICG添加の影響は認められなかった。ヒト臍帯血管内皮細胞においてはバラつきが大きく検討できなかった。◎ウサギ耳介静脈を用いた血管内皮細胞障害作用の検討血流を遮断し血管内の血液を軽く圧迫除去したウサギ耳介静脈にポリドカノールを注入、投与直後より投与血管を圧迫し、血栓形成を評価したが、こちらも有意な血栓形成の変化は認められなかった。
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Journal of Dermatologic Surgery
巻: 36 Suppl 2 ページ: 1050-5