DP-4ペプチドを固相化したアフィニティークロマトグラフィーにより、このペプチドのレセプターがシンデカン1であることを同定した。 マウスの匹数を20匹に増やし、背部に作成した実験的創傷に合成DP-4ペプチドを塗布して6日後に創傷を切除し、顕微鏡下に新生表皮の延長効果を検討した。その結果0.89μg/mm2の濃度でDP-4塗布群は対照と比較し有意に新生表皮距離が長く、このペプチドに表皮細胞新生効果があると考えられた。マルチウェルプレートに播種した細胞層に帯状の欠損部を作成し、DP-4ペプチドおよび対照のペプチドを加えて欠損部に遊走した距離、被覆された面積を各々比較したが、明らかな有意差は認められなかった。 全長のDP分子はDP-4よりも強力な細胞接着活性を持つため、DP発現293細胞の動態と増殖活性をベクターのみをトランスフェクションした293細胞と比較した。これらの細胞をアガロース滴に封入し、ディッシュに2μlずつ滴下し、72時間培養後に遊走した細胞を観察したところ、DP発現細胞は対照細胞と比較し、細胞の分散が著明で、Membrane rufflingを示すものが多かった。またこれらの細胞を一定数マルチウェルプレートに播種し、経時的に細胞数を測定したところ、DP発現細胞は対照細胞と比較して高い細胞増殖活性を示した。 以上よりDP-4は創傷治癒促進能を有しており、DPは細胞増殖能と、細胞遊走能を有していることが示唆された。今後は全長のDP分子の創傷治癒活性も検討したい。
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