研究課題
デルマトポンチン(DP)はフィブリンやフィブロネクチンと濃度依存性に相互作用した。フィブリンを固相化しフィブロネクチンとDPの混合物を加えると、DPの濃度依存性にフィブリンとフィブロネクチンの結合は増強した。同様に線維芽細胞との細胞接着実験ではフィブロネクチンの細胞接着を増強した。DPをフィブロネクチンとインキュベートするとフィブロネクチンは不溶化した。すなわちDPはフィブロネクチンを活性化し線維形成させていた。以上よりDPは創傷初期の仮マトリックスにおいてフィブリンやフィブロネクチンと相互作用し、フィブロネクチンを活性化することで創傷治癒を促進しているのではないかと考えた。この内容を論文に発表した。昨年度までにDP-4はDPの細胞接着ドメインであり、創傷治癒促進能を有していることが分かっていた。フィブロネクチンとDPの結合をDPの部分ペプチドが阻害するか固相法で検討したところ、DP-4でのみ両者の結合は阻害された。DP-4をフィブロネクチンとインキュベートするとDP-4は濃度依存性にフィブロネクチンを不溶化し、フィブロネクチンを活性化し、スーパーフィブロネクチンを形成させていると思われた。フィブリンを固相化しフィブロネクチンとDPペプチドを加え、線維芽細胞を用いた細胞接着実験では、DP-4においてのみ接着する細胞数は増加し、さらにDP-4の濃度依存性に接着する細胞数は増加した。このことからDP-4はDPとほぼ同様の活性を有していることが分かり、これがDP-4の創傷治癒促進のメカニズムと考えた。
すべて 2011 2010 その他
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)
The Journal of Biological Chemistry
巻: 286(17) ページ: 14861-14869
ケミカルエンジニヤリング
巻: 558) ページ: 589-596