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2010 年度 実績報告書

デルマトポンチンの新規創傷治癒促進ペプチドの分子機構解明

研究課題

研究課題/領域番号 21791747
研究機関大分大学

研究代表者

加藤 愛子  大分大学, 医学部, 助教 (50404372)

キーワードデルマトポンチン / 創傷治癒
研究概要

デルマトポンチン(DP)はフィブリンやフィブロネクチンと濃度依存性に相互作用した。フィブリンを固相化しフィブロネクチンとDPの混合物を加えると、DPの濃度依存性にフィブリンとフィブロネクチンの結合は増強した。同様に線維芽細胞との細胞接着実験ではフィブロネクチンの細胞接着を増強した。DPをフィブロネクチンとインキュベートするとフィブロネクチンは不溶化した。すなわちDPはフィブロネクチンを活性化し線維形成させていた。以上よりDPは創傷初期の仮マトリックスにおいてフィブリンやフィブロネクチンと相互作用し、フィブロネクチンを活性化することで創傷治癒を促進しているのではないかと考えた。この内容を論文に発表した。
昨年度までにDP-4はDPの細胞接着ドメインであり、創傷治癒促進能を有していることが分かっていた。フィブロネクチンとDPの結合をDPの部分ペプチドが阻害するか固相法で検討したところ、DP-4でのみ両者の結合は阻害された。DP-4をフィブロネクチンとインキュベートするとDP-4は濃度依存性にフィブロネクチンを不溶化し、フィブロネクチンを活性化し、スーパーフィブロネクチンを形成させていると思われた。フィブリンを固相化しフィブロネクチンとDPペプチドを加え、線維芽細胞を用いた細胞接着実験では、DP-4においてのみ接着する細胞数は増加し、さらにDP-4の濃度依存性に接着する細胞数は増加した。このことからDP-4はDPとほぼ同様の活性を有していることが分かり、これがDP-4の創傷治癒促進のメカニズムと考えた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2011 2010 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Dermatopontin interacts with fibronectin, promotes fibronectin fibril formation, and enhances cell adhesion2011

    • 著者名/発表者名
      Kato A, Okamoto O, Ishikawa K, Sumiyoshi H, et al.
    • 雑誌名

      The Journal of Biological Chemistry

      巻: 286(17) ページ: 14861-14869

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 新規細胞接着ペプチドを用いた創傷治療への応用2010

    • 著者名/発表者名
      岡本修、加藤愛子、藤原作平
    • 雑誌名

      ケミカルエンジニヤリング

      巻: 558) ページ: 589-596

  • [学会発表] 細胞外マトリックス蛋白質デルマトポンチンの創傷治癒機構への関与2010

    • 著者名/発表者名
      加藤愛子
    • 学会等名
      第19回日本形成外科学会基礎学術集会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2010-09-16
  • [学会発表] 真皮細胞外マトリックス蛋白質デルマトポンチンの創傷治癒における役割2010

    • 著者名/発表者名
      加藤愛子
    • 学会等名
      第42回日本結合組織学会学術集会
    • 発表場所
      秋田
    • 年月日
      2010-08-19
  • [備考] 第42回日本結合組織学会優秀演題賞受賞

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公開日: 2012-07-19  

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