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2011 年度 実績報告書

ケロイド・肥厚性瘢痕発生原因の力学的解明と臨床治療への応用

研究課題

研究課題/領域番号 21791751
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

宮本 純平  慶應義塾大学, 医学部, 助教 (90365312)

キーワード創傷治癒学 / 生体力学 / 有限要素法 / 肥厚性瘢痕 / ケロイド
研究概要

手術や外傷後にできるケロイドや肥厚性瘢痕は、長年外科医や患者を悩ませている。小さな切開創や毛嚢炎から、時に巨大なケロイドが発生し、日常生活の妨げとなることがある。また疹痛やかゆみなどの臨床上を引き起こす。
一度発生したケロイドや肥厚性瘢痕は、治癒させるために長い年月を要する。このため予防が重要になる。予防として、創傷治癒期に創へかかる緊張を解除することは、最も有効な方法の一つとして知られている。このため臨床的には、テーピングを用いるなどして創部の減張が行われているが、不十分である場合が少なくない。効率的に緊張を軽減するためには、瘢痕周囲に発生する生態力学的詳細について、解明することが必要不可欠である。しかし、それらについてはほとんど解明されていない。
以上のことから、CTデータを用いて、手や下腿、耳介、胸部などの体の各部位を正確に再現したシミュレーション・モデルを作製した。モデルに、手術や外傷によって形成される瘢痕を作製し、人体の運動に相当する負荷を加えることで、瘢痕とその周囲に発生する応力を有限要素法を用いて解析した。
その結果、胸部におけるケロイド周囲に発生する応力が明らかになった。この結果は、臨床で経験されるケロイド悪化のメカニズムと近似しており、これまでケロイドの浸潤と深い関連が指摘されてきた機械的ストレスに関する新しい深い知見が得られた。また、手の手術後にできる瘢痕周囲に発生する応力を明らかにし、それに対する効率的な手術法が解明された。また、下腿部にできる瘢痕とその周囲に発生する応力について明らかにした。
本研究で得られた知見は、更に手術や臨床現場で活用することにより、今後さらなる手術結果の向上やケロイド・肥厚性瘢痕予防につながると期待できる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Anthropometric evaluation of bilateral cleft lip nose with cone beam computed tomography in early childhood : Estimation of nasal tip collapse2012

    • 著者名/発表者名
      Junpei Miyamoto., et al
    • 雑誌名

      J Plast Reconstr Aesthet Surg

      巻: 65(2) ページ: 169-174

    • DOI

      10.1016/j.bjps.2011.08.036

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Preoperative modeling of costal cartilage for the auricular reconstruction of microtia2011

    • 著者名/発表者名
      Miyamoto J, Miyamoto S, Nagasao T, Kasai S, Kishi K
    • 雑誌名

      Plast Reconstr Surg

      巻: 128(1) ページ: 23e-4e

    • DOI

      doi:10.1097/PRS.0b013e31821744eb

    • 査読あり
  • [学会発表] 前胸部ケロイドの応力解析2011

    • 著者名/発表者名
      宮本純平
    • 学会等名
      日本形成外科学会総会
    • 発表場所
      ホテルクレメント(徳島県)
    • 年月日
      2011-04-12

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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