研究概要 |
20年度に行った予備実験を踏まえ、これまでに蒐集したケロイド70例を用いて、蛍光抗体法によるMatrix metalloproteinase(MMP)-2,Tissue inhibitor of metalloproteinase (TIMP)-2, Membrane-type 1 MMP(MT1-MMP)の発現局在を検討した結果、膠原線維束周囲の線維芽細胞にMMP-2,MT1-MMP,TIMP-2が発現し、膠原線維束自体にはMMP-2のみ発現を認めた。この事から、ケロイド膠原線維束の分解にMMP-2が特異的に関与している事が示唆された。 また患者から得たケロイド・正常成熟瘢痕組織と購入した正常皮膚由来培養線維芽細胞から、ケロイド由来培養線維芽細胞・正常成熟瘢痕由来線維芽細胞・正常皮膚由来培養線維芽細を樹立した。樹立した各種培養線維芽細胞を継代培養後、経時的に細胞から蛋白およびmRNAを抽出した。MMPsとTIMPsの発現性を、Western blot法やGelatin zymographyで解析した結果、ケロイド由来培養線維芽細胞ではMMP-2の活性と発現性が、正常皮膚由来培養線維芽細胞に比べ有意に増加していることが確認された。
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