幹細胞を用いた脂肪組織再生と血管新生における分子機構の解明

2013 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 21791760
• 研究種目: 若手研究(B)
• 配分区分: 補助金
• 研究分野: 形成外科学
• 研究機関: 関西医科大学
• 研究代表者: 覚道 奈津子 関西医科大学, 医学部, 助教 (00509490)
• 研究協力者: 尾川 武史 関西医科大学, 医学部, 研究員 (80739269)
• 研究期間 (年度): 2009-04-01 – 2014-03-31
• キーワード: 幹細胞 / 脂肪 / 血管新生

研究概要

今回の研究で、我々は、脂肪幹細胞を用いた組織再生と幹細胞生着においては血管新生能が重要な役割を果たすこと、とくに脂肪幹細胞が血管新生作用を有する増殖因子であるVEGF、FGF-2、HGFなどの増殖因子を多く産生すること、そして低酸素条件下においてHIF-1αの発現を介し、それらの産生が促進されることを明らかにした。組織生着や組織再建には局所の血流や血管新生が重要な役割を果たすため、脂肪幹細胞を用いた組織再建における幹細胞の担う重要な役割が明らかになった。

研究成果

• [雑誌論文] Adipose-derived regenerative cell (ADRC)-enriched fat grafting : optimal cell concentration and effects on grafted fat characteristics (2013)
  • 著者名/発表者名: Kakudo N, Tanaka Y, Morimoto N, Ogawa T, Kushida S, Hara T, Kusumoto K
  • 雑誌名: J Transl Med 巻: 11(1) ページ: 254
  • DOI: 10.1186/1479-5876-11-254
  • 査読あり
• [雑誌論文] Effects of transforming growth factor-beta1 on cell motility, collagen gel contraction, myofibroblastic differentiation, and extracellular matrix expression of human adipose-derived stem cell (2012)
  • 著者名/発表者名: Kakudo N, Kushida S, Suzuki K, Ogura T, Notodihardjo PV, Hara T, Kusumoto K
  • 雑誌名: Hum Cell 巻: 25(4) ページ: 87-95
  • DOI: 10.1007/s13577-012-0049-0
• [雑誌論文] The effect of C3 transferase on human adipose-derived stem cells (2011)
  • 著者名/発表者名: Kakudo N, Kushida S, Suzuki K, Matsumoto N, Kusumoto K
  • 雑誌名: Hum Cell 巻: 24(4) ページ: 165-169
  • DOI: 10.1007/s13577-011-0033-0
• [雑誌論文] ラット脂肪組織由来幹細胞の脂肪・骨への分化 (2011)
  • 著者名/発表者名: 覚道奈津子, 櫛田哲史, 鈴木健司, 楠本健司
  • 雑誌名: 洛和会病院医学雑誌 巻: 22 ページ: 61-64
• [学会発表] 低酸素培養における脂肪組織由来幹細胞の増殖効果 (2013)
  • 著者名/発表者名: 覚道奈津子, 森本尚樹, 原 朋也, 小倉常敬, 楠本健司
  • 学会等名: 第22回日本形成外科学会基礎学術集会
  • 発表場所: 新潟市, (一般)
  • 年月日: 20131100
• [学会発表] ヒト脂肪組織由来間葉系前駆細胞(ADRCs)を用いた脂肪移植 : 移植脂肪の性状に与える至適細胞配合量の影響 (2013)
  • 著者名/発表者名: 覚道奈津子, 田中義人, 森本尚樹, 櫛田哲史, 原 朋也, 楠本健司
  • 学会等名: 第22回日本形成外科学会基礎学術集会
  • 発表場所: 新潟市, (一般)
  • 年月日: 20131100
• [学会発表] 脂肪組織由来幹細胞の特性と臨床応用へ向けた取り組み (2011)
  • 著者名/発表者名: 覚道奈津子, 櫛田哲史, 鈴木健司, 楠本健司
  • 学会等名: 第20回日本形成外科学会基礎学術集会
  • 発表場所: 東京, (シンポジウム・ワークショップ・パネルディスカッションなど)
  • 年月日: 20111000
• [学会発表] TGF-βがヒト脂肪組織由来幹細胞の増殖,遊走,収縮に与える影響 (2011)
  • 著者名/発表者名: 覚道奈津子, 櫛田哲史, 小倉常敬, PRISCILLA VALENTIN, 鈴木健司, 楠本健司
  • 学会等名: 第20回日本形成外科学会基礎学術集会
  • 発表場所: 東京, (一般)
  • 年月日: 20111000
• [学会発表] ヒト脂肪組織由来幹細胞の特性と再生医療における可能性 (2011)
  • 著者名/発表者名: 覚道奈津子, 櫛田哲史, 楠本健司
  • 学会等名: 第21回日本サイトメトリー学会学術集会
  • 発表場所: 京都市, (一般)
  • 年月日: 20110600
• [学会発表] ヒト脂肪組織由来幹細胞と増殖因子を用いた組織再生と展望 (2009)
  • 著者名/発表者名: 覚道奈津子, 楠本健司
  • 学会等名: 第18回日本形成外科学会基礎学術集会
  • 発表場所: 東京, (シンポジウム・ワークショップ・パネルディスカッションなど)
  • 年月日: 20091000
• [学会発表] 線維芽細胞・脂肪組織由来幹細胞に対する多血小板血漿および線維芽細胞増殖因子による増殖効果 (2009)
  • 著者名/発表者名: 覚道奈津子, 櫛田哲史, 楠本健司
  • 学会等名: 第41回日本臨床分子形態学会総会・学術集会
  • 発表場所: 神戸市, (シンポジウム・ワークショップ・パネルディスカッションなど)
  • 年月日: 20090900
• [図書] Adipose-Derived Stem Cells and their Application in Tissue Engineering. Tissue Engineering : Fundamentals, T echniques and Applications (2012)
  • 著者名/発表者名: Kakudo N, Kushida S, Ogura T, Suzuki K, Kusumoto K(Takeshi Ishikawa and Masayoshi Y amamoto ed.)
  • 総ページ数: 89-96
  • 出版者: Nova Science Publishers
• [図書] Adipose-derived Stem Cells and Platelet-Rich Plasma : Implications for Regenerative Medicine. Stem Cells and Cancer Stem Cells V ol.2 : Therapeutic Applications in Disease and Injury (2011)
  • 著者名/発表者名: Natsuko Kakudo, Satoshi Kushida, Kenji Kusumoto (M.A. Hayat ed.)
  • 総ページ数: 315-322
  • 出版者: Springer