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2010 年度 実績報告書

非侵襲的陽圧換気療法中の加湿と口腔内乾燥度の検討

研究課題

研究課題/領域番号 21791768
研究機関徳島大学

研究代表者

大藤 純  徳島大学, 病院, 助教 (40346606)

キーワード非侵襲的陽圧換気法 / 加温加湿法 / 口腔内乾燥度
研究概要

1.研究成果:
非侵襲的陽圧換気(NPPV)中の口腔内乾燥を軽減すべく、基礎研究ならびに臨床研究を行った。基礎研究では、モデル肺を用いて急性呼吸不全患者の呼吸状態を再現し、NPPV中の吸入ガスの絶対湿度について、加温加湿器の温度設定を中等度と最大の2つの温度設定について計測した。その結果、NPPVの吸入酸素濃度が高い場合、PEEP設定が高い場合、リークが多い場合に吸入ガスの絶対湿度が低下した。1回換気量や呼吸数の影響は少なかった。加温加湿器の温度設定では、NPPV中に推奨されている中等度の温度設定よりは、最大の温度設定において、吸入ガスの絶対湿度は上昇した。
臨床研究では、NPPV中の口腔内乾燥度について、口腔内乾燥度測定装置を用いて客観的評価を行った。NPPV装着中は、中等度の温度設定では、NPPV装着後12時間から24時間で、口腔内乾燥が増悪した。またNPPV離脱後12時間から24時間で、口腔内乾燥は正常に回復した。一方、温度設定を最大とすると、口腔内乾燥の増悪はなかった。
同様の傾向が、NPPV装着患者の口腔内乾燥の自覚症状(0-10段階評価)でも示された。ただし、最大の温度設定でも、NPPV開始時に重度の口腔内乾燥を呈する患者において、口腔内乾燥を改善する効果までは認めなかった。
これまで、急性呼吸不全患者のNPPV装着中の適切な加温加湿の指標はない。今回の基礎実験結果より、NPPV中の吸入ガスの絶対湿度は、中等度の温度設定で15mgH20/L以上、最大温度設定で25mgH20/Lであった。よって、急性呼吸不全患者では、絶対湿度で25mgH20/L以上の絶対湿度が必要であることが判明した。急性呼吸不全患者では、頻呼吸、口呼吸の増大、炎症反応や発熱による脱水などで、健常人と比較して口腔内乾燥を惹起しやすい。本研究により、NPPV療法に必要な加温・加湿器の設定方法に新たな指針となるデータが供給できた。
今後は、実際にNPPVを装着した患者で絶対湿度や温度を測定し、それらと口腔内乾燥度の相関関係や長期NPPV使用時における絶対湿度の変化など調査する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Clinical factors affecting inspired gas humidification and oral dryness during noninvasive ventilation2011

    • 著者名/発表者名
      Jun Oto
    • 雑誌名

      Journal of Critical Care

      巻: 26 ページ: 535e9-e15

    • DOI

      10.1016/j.jcrc.2010.10.005

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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