マイコプラズマは細胞壁を欠き、細胞膜リポタンパク質が宿主細胞のToll様受容体(TLR)2で認識される。また、一部のマイコプラズマは宿主細胞への侵入性を有することから、Mycoplasma hominisのリポタンパク質を精製しその性状を調べた。その結果、これまで報告のあった50kDaのアドヘジンとN 末端アミノ酸配列が相同で、分子量が10kDa小さいリポタンパク質の欠損変異体を同定した。このリポタンパク質はマクロファージを活性化するだけでなくTLR2非依存的に宿主細胞への付着に関与するということなどを明らかにした。さらにマイコプラズマがリポタンパク質を介して宿主細胞に影響を与えることから、マイコプラズマが培養細胞に混入した場合の除去方法についても検討した。以上のことは国際的な学術雑誌に投稿準備中である。
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