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2010 年度 実績報告書

カテプシン阻害剤を用いたドライマウス・?型糖尿病の治療学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 21791790
研究機関徳島大学

研究代表者

山田 安希子  徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (70452646)

キーワード自己免疫性疾患 / I型糖尿病 / カテプシン / siRNA / ドライマウス / 細胞障害性CD8陽性T細胞
研究概要

ドライマウスの主な原因疾患は、シェーグレン症候群をはじめとする自己免疫疾患や糖尿病などであり、現在のところ、人工唾液などの対症療法によって症状の緩和が図られているが、効果は十分でなく、根本的治療が求められている。これまでに、当教室ではリソソームに存在する酵素であるカテプシンがシェーグレン症候群の発症に重要な因子であることを明らかにした。そこで、本研究ではI型糖尿病(自己免疫性糖尿病)におけるカテプシン群の役割を比較検討することにより、カテプシンを介したI型糖尿病の治療およびドライマウスの改善につながる解析を目的とした。
まず、I型糖尿病モデルNOD(non-obese diabetic)マウスに対し、サイクロフォスファマイドの投与により糖尿病を誘導する際に、各カテプシン阻害剤(カテプシンL、S、B)を投与した結果、カテプシンL阻害剤投与により病態の抑制が認められた。また、in vitroで、末梢CD8陽性T細胞の活性化に伴いカテプシンL活性の増強が認められることを確認した。加えて、CD8陽性T細胞の細胞傷害活性に対するカテプシンL阻害剤の効果を検討した結果、カテプシンL阻害剤はCD8陽性T細胞の細胞障害活性を抑制することが示された。さらに、サイクロフォスファマイド投与NODマウスに対し、small interfering RNAを用いてカテプシンLをノックダウンした場合においても、病態抑制が認められた。したがって、カテプシンLはI型糖尿病の発症に関与していることが明らかにされ、カテプシンLを特異的に阻害することはI型糖尿病の有効な治療法となり、さらにはドライマウスの改善につながる可能性が示された。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (8件)

  • [雑誌論文] Cathepsin L inhibition prevents murine autoimmune diabetes via suppression of CD8^+ T cell activity2010

    • 著者名/発表者名
      Yamada A, 他
    • 雑誌名

      PLos ONE

      巻: 5 ページ: e12894

    • 査読あり
  • [雑誌論文] プロテオミクスで探るミトコンドリアからのシトクロムc漏出機構2010

    • 著者名/発表者名
      山本武範, 他
    • 雑誌名

      生物物理

      巻: 50 ページ: 124-125

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 新生児におけるダイオキシンへの曝露と自己免疫病の発生2010

    • 著者名/発表者名
      石丸直澄, 他
    • 雑誌名

      臨床免疫・アレルギー科

      巻: 53 ページ: 92-96

  • [学会発表] I型糖尿病モデルマウスにおけるカテプシンLの特異的阻害を介した治療戦略2011

    • 著者名/発表者名
      山田安希子
    • 学会等名
      第9回口腔医科学フロンティア
    • 発表場所
      九州大学歯学部本館1階(福岡市)
    • 年月日
      2011-03-05
  • [学会発表] Critical Signaling Pathway via CCR7 of Foxp3+CD25+CD4+ Regulatory T Cells for the Egress from Lymph Nodes2010

    • 著者名/発表者名
      石丸直澄
    • 学会等名
      第14回国際免疫学会議
    • 発表場所
      神戸ポートピアホテル、神戸国際展示場(神戸市)
    • 年月日
      2010-08-26
  • [学会発表] Rapid T cell death via interaction with CD11b+ macrophages in Fas-deficient host2010

    • 著者名/発表者名
      大浦律子
    • 学会等名
      第14回国際免疫学会議
    • 発表場所
      神戸ポートピアホテル、神戸国際展示場(神戸市)
    • 年月日
      2010-08-24
  • [学会発表] Ca^<2+>によって酵母ミトコンドリアに誘起される透過性遷移の解析2010

    • 著者名/発表者名
      山本武範
    • 学会等名
      第2回日本生物物理学会 中四国支部大会
    • 発表場所
      松山大学薬学部(松山市)
    • 年月日
      2010-05-09
  • [学会発表] I型糖尿病モデルマウスにおけるカテプシンL特異的阻害剤を用いた治療効果の検討2010

    • 著者名/発表者名
      山田安希子
    • 学会等名
      第99回日本病理学会総会
    • 発表場所
      京王プラザホテル(東京都新宿区)
    • 年月日
      2010-04-29
  • [学会発表] シェーグレン症候群における調節性T細胞の役割2010

    • 著者名/発表者名
      石丸直澄
    • 学会等名
      第99回日本病理学会総会
    • 発表場所
      京王プラザホテル(東京都新宿区)
    • 年月日
      2010-04-29
  • [学会発表] マウス関節炎モデル樹状細胞のRANKL/FASシグナルを介した免疫抑制効果2010

    • 著者名/発表者名
      松本一真
    • 学会等名
      第99回日本病理学会総会
    • 発表場所
      京王プラザホテル(東京都新宿区)
    • 年月日
      2010-04-29
  • [学会発表] エストロゲン欠乏依存的に唾液腺に誘導される膵ラ氏島アミロイドポリペプチドの機能とその意義2010

    • 著者名/発表者名
      新垣理恵子
    • 学会等名
      第99回日本病理学会総会
    • 発表場所
      京王プラザホテル(東京都新宿区)
    • 年月日
      2010-04-28

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公開日: 2012-07-19  

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