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2011 年度 実績報告書

Toll様受容体を介した口腔内グラム陽性菌の免疫活性化作用の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21791796
研究機関昭和大学

研究代表者

片岡 嗣雄  昭和大学, 歯学部, 助教 (60451390)

キーワード感染症 / 微生物 / 細菌 / 歯学 / 免疫学
研究概要

口腔レンサ球菌は歯肉縁上プラークや唾液中に多く存在するグラム陽性菌であるが、歯周疾患誘発との関連性について、その詳細な分子機構は明らかにされていない。一方、宿主細胞の自然免疫系は、Toll-like receptor 2(TLR2)によって細菌由来リポタンパク質(LP)を認識することが示唆されているが、LPの病因論的役割は不明な点が多い。そこで本研究では、口腔レンサ球菌属に含まれる数菌種のLPについて、TLR2依存的な炎症誘導活性が存在するかどうか解明し比較検討することを目的とした。
口腔レンサ球菌としてStreptococcus mitis、S. sanguinis、S. oralis、S. mutans、S. salivariusの各標準株を使用し、菌体ならびに菌体から抽出したLPの炎症誘導活性を検討した。その結果、いずれの菌体もphorbol 12-myristate 13-acetate(PMA)でマクロファージ様に分化させたヒト単球系細胞THP-1(THP-1/PMA)においてIL-8ならびにTNF-αの産生を誘導し、TLR2遺伝子を導入したHEK293細胞において転写因子NF-κBを活性化した。また、菌体抽出LPによる刺激も菌体刺激と同様な結果を示した。しかし、S. salivariusの菌体ならびに菌体抽出LPは、上記の活性において、他の菌種と比べて有意に低い値を示した。以上の結果から、口腔レンサ球菌の菌体由来LPは宿主細胞のTLR2を介して炎症応答を誘導するが、その活性には菌種による違いがあり、S. salivariusは他の口腔レンサ球菌と比べて炎症誘導活性が低いという可能性が示された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2012 2011

すべて 学会発表 (4件)

  • [学会発表] Roles of lipoproteins in clearance of oral streptococci2012

    • 著者名/発表者名
      瀬川卓
    • 学会等名
      第85回日本細菌学会総会
    • 発表場所
      長崎ブリックホール長崎新聞文化ホール
    • 年月日
      2012-03-27
  • [学会発表] Modulation of growth and functions of CD4+CD25+Foxp3+ regulatory T cells by oral streptococci2012

    • 著者名/発表者名
      佐伯歩
    • 学会等名
      第85回日本細菌学会総会
    • 発表場所
      長崎ブリックホール長崎新聞文化ホール
    • 年月日
      2012-03-27
  • [学会発表] 制御性T細胞(Treg)の免疫抑制活性に及ぼす口腔連鎖球菌の影響2011

    • 著者名/発表者名
      佐伯歩
    • 学会等名
      第53回歯科基礎医学会学術大会ならびに総会
    • 発表場所
      長良川国際会議場
    • 年月日
      2011-09-30
  • [学会発表] 口腔連鎖球菌の生体からの排除におけるリポタンパク質の影響2011

    • 著者名/発表者名
      瀬川卓
    • 学会等名
      第53回歯科基礎医学会学術大会ならびに総会
    • 発表場所
      長良川国際会議場
    • 年月日
      2011-09-30

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公開日: 2013-06-26  

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