研究課題
これまでに申請者は、ヒト扁平上皮癌細胞HSC-2においてIFNγによりCyclinA2(CcnA2)およびCdk2などが抑制され、細胞増殖抑制されることを見いだした。この時、IFNγによる細胞増殖抑制がIFNγの主要なシグナル分子であるSTAT1を介していることを明らかにした。更にIFNγ依存的なCcnA2およびCdk2の発現抑制がRb依存的であることを示している。本年度はIFNγ依存的に発現が上昇する細胞増殖制御関連因子の発現を解析した。複数の細胞増殖制御関連因子の発現変化を解析し、サイクリン遺伝子の発現を直接制御するE2Fの発現抑制とcMycの機能を抑制するタンパク質の発現が上昇することをみいだした。一方で、MycファミリーのcMyc, N-Myc, L-Mycの発現はほとんど変化しなかった。これらタンパク質の発現は細胞増殖抑制作用を持つTGFβにより制御されることから、次に、TGFβの発現制御を介した間接的な作用である可能性を検討した。HSC-2細胞にTGFβを添加したところTGFβによるこれらタンパク質の発現上昇は見られなかった。よって、細胞増殖制御関連因子の発現制御はIFNγによる直接作用であることが明らかとなった。更に、これら細胞増殖制御関連因子の発現制御がIFNγによるRbの抑制の結果として起こるのかIFNγが直接制御するのか検討した。するとIFNγによる細胞増殖制御関連因子の発現制御はRbの機能を阻害した際にも観察されたため、直接作用であることが明らかとなった。
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J Biosci Bioeng.
巻: (Article in Press)
In Vivo
巻: 240 ページ: 735-743