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2010 年度 実績報告書

デンタルユニット給水系バイオフィルムに対する効果的な管路洗浄装置の開発

研究課題

研究課題/領域番号 21791850
研究機関大阪大学

研究代表者

薮根 敏晃  大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (90423144)

キーワードデンタルユニット / バイオフィルム / 管路洗浄
研究概要

本年度は、デンタルユニット給水系バイオフィルムに対する効果的な管路洗浄装置を試作し、実際の臨床使用においてその効果を検討した。
大阪大学歯学部附属病院保存科診療室において、新規に導入された2台のデンタルユニット(Spaceline[○!R]EMCIA、モリタ)のうち1台に、すべての給水管路に薬剤を送り込む機能と薬剤洗浄後に洗い流す機能を備えた試作管路洗浄装置を搭載した。もう1台はコントロールとして用い、2台とも通常通り診療に供した。診療開始前に、薬剤を用いたデンタルユニット内の給水管路の洗浄を新規導入6ヵ月後まで行った。薬剤には、平成21年度の実験から良好な殺菌作用と金属溶出量の少なかった10ppmの次亜塩素酸を用いた。管路洗浄前にデンタルユニットのエアータービンハンドピースより放出される5mlの水を滅菌容器に回収し、従属栄養菌の培養に適したR2A寒天平板培地を用いて細菌数を測定した。また、エアータービンハンドピースのチューブの一部を採取して縦断し、チューブの内面を走査型電子顕微鏡にて観察した。
新規導入6ヵ月後のエアタービンハンドピースから放出される細菌数は、管路洗浄装置を未搭載のデンタルユニットからは1×10^4~1×10^5CFU/mlであったのに対し、管路洗浄装置を搭載したユニットからは、1×10^2~1×10^3CFU/mlであり、洗浄装置の搭載によって放出される細菌数を約1/100に抑制できることがわかった。また、チューブ内面の走査型電子顕微鏡観察により、どちらのユニットにおいても少量の桿菌と糸状菌の付着を認めるものの、バイオフィルムの形成は認められなかった。
本研究により次亜塩素酸を用いた試作管路洗浄装置はデンタルユニットから放出される細菌数の減少に有効であることがわかった。

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公開日: 2012-07-19  

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