覆髄の効果を判定するため、ラット大臼歯に対して人工露髄面を形成し、高周波ラジオ波メスによって止血を行い、修復象牙質形成を調べた。通常の止血法による止血と高周波ラジオ波メスによる止血を比較検討したところ、良質な修復象牙質形成が観察され、歯髄の炎症性反応は少なかった。また、規格化された露髄径が修復象牙質形成にどのような影響があるかを検討した。30号のKファイルによって拡大された露髄径では良質な修復象牙質が形成されたが、50号以上の拡大ではトンネル状欠損を有する修復象牙質の形成が観察された。これらの結果から、止血状態や露髄径の大きさは、良質な象牙質再生および歯髄の炎症に影響を与えることが示唆された。
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