スタチンとMTAの石灰化促進シグナル伝達経路の解明行うために以下を行った。 1)スタチンの間葉系細胞分化における、メバロン酸代謝経路の関与. スタチンの分化促進は、メバロン酸代謝産物によって抑制を受けた。 特にメバロン酸、ゲラニルゲラニル2リン酸が顕著な抑制を示した。しかし、ファルネシルピロリン酸は全く抑制の効果を表さなかった。このことは、これらの下流である、RasやRhoのプレニレーションにも表れていた。 2)MTAの間葉系細胞分化における細胞内シグナル伝達経路の解析. MTAの添加によって引き起こされる、分化・石灰化のマーカーは、スタチンのそれとは異なり、メバロン酸経路を仲介したものではなかった。 そこで、MTA添加による、細胞内シグナルの変化を、各種インヒビターによって検討した。その結果、p38やJNK経路をMTAが活性化する可能性が強まった。現在は、これらが単なるアルカリによるものでないことを、対照を用いて検討すると同時に、ウエスタンブロット法およびELISAにより解析中である。
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