MTAの石灰化促進シグナル伝達経路の解明のために以下の手法を用いた。 i)骨芽細胞、未分化間葉系細胞へのMTA単独添加による分化マーカー、および石灰化能への影響。 qRT-PCRにより各種分化マーカーを検討した。 このデーターを元に、各種タンパク質・酵素活性を測定した。 本結果は、現在、論文発表を行う予定で、現在追加実験中である。 ii)MTAとスタチンとの併用による、石灰化作用。 はじめに、分化の初期段階からMTAとスタチンを併用し、分化程度について検討を行った。 その結果は、MTAの「初期分化誘導能」によって増殖が起こらず、結果として有意な差は確認できなかった。他方、本研究によって、スタチンの石灰化は、以前提唱されていたような分化初期への影響ではなく、分化後期に強く影響を及ぼすことが判明した。 これらから、現在、それぞれを作用させるステージを検討しながら、再生医学へ応用可能なモデルを開拓中である。 iii)硬化MTAが細胞接着に与える影響。 MTAはコロイド状のものと硬化したものでは、細胞への分化・石灰化に与える影響が異なる。このことを、形態的・機能的に解析を行った。さらに、他の歯科材料も含め検索を行った。 この結果の一部は、日本保存学会にて発表を行った。
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