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2009 年度 実績報告書

歯髄硬組織形成調節機序におけるWntシグナルの役割解明に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 21791869
研究機関神奈川歯科大学

研究代表者

武藤 徳子  神奈川歯科大学, 歯学部, 特別研究員 (40510433)

キーワードWnt / 歯髄 / 歯学 / 免疫学 / シグナル伝達
研究概要

【研究目的】歯髄は多数の樹状細胞が存在し自然免疫および獲得免疫の発現と象牙芽細胞に対する象牙質再形成過程に重要な役割を果たしている。本研究は、新規治療法である損傷歯髄に対する樹状細胞療法を実現するに当たり、骨髄間葉系幹細胞からの樹状細胞の分化誘導を行う前段階として、歯髄損傷に伴うTLRs発現細胞の動態を組織学的に解析することによって、歯髄炎に伴う組織変化と自然免疫の役割を明らかにすることを目的とした。
【方法】BALB/cマウス上顎第一臼歯を露髄するよう形成し、口腔常在菌による感染を惹起した。露髄処置による歯髄感染直後から1day(d)、3d、5d、1week(w)、2wおよび3w後に試料を採取し凍結切片を作成した。歯髄損傷に伴う組織変化と自然免疫の関与は、TLR発現細胞の検索を抗TLR2,4ポリクローナル抗体を、また象牙芽細胞マーカーであるnestinを用い免疫組織染色を行い解析した。
【研究成果】損傷を受けた歯髄におけるTLR産生細胞の動態を経時的に解析した結果、1d後の根尖歯周組織には、骨芽細胞および破骨細胞にTLR2陽性所見が認められ、その発現は1wまで確認された。根尖歯周組織は、歯髄感染後1d~3dにおいて毛細血管の新生が継続して認められ、根尖孔直下の毛細血管近傍では血管壁から遊走した多形核白血球とマクロファージにTLR4陽性所見が認められた。また、1d~5dに感染歯髄に隣接する骨髄組織において、TLR4陽性の骨髄細胞と多形核白血球が認められたが、これらの陽性所見は3w後に消失し、窩洞形成面直下に硬組織形成が認められ、直下歯髄組織には、TLR4陽性の象牙芽細胞の存在が認められたことから、この硬組織が象牙質であることが明らかとなった。以上の所見から、歯髄、根尖歯周組織、および骨髄組織間によるTLRシグナルを介した自然免疫の細胞間ネットワークの関与が示された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Expression of Toll-Like Receptor 2 and 4 in inflamed Pulp in Severe Combined Immunodeficiency Mice2010

    • 著者名/発表者名
      Mutoh N, Watabe H, Chieda K, Tani-Ishii N.
    • 雑誌名

      Journal of Endodontics 36

      ページ: 975-980

    • 査読あり
  • [学会発表] Pulp infection induced TLR-positive osteoblasts and osteoclasts in periapical periodontitis2009

    • 著者名/発表者名
      Muto N, Tani-Ishii N
    • 学会等名
      第39回日本免疫学会総会・学術集会
    • 発表場所
      大阪国際会議場
    • 年月日
      20091202-04

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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