研究概要 |
研究の目的:低出力レーザー照射効果の新規解析 申請者らは、培養細胞へ低出力レーザーを照射し、レーザー照射による光化学効果を新たに分子生物学的に解析し明らかにすることを目的とする。 我々は、これまで1984年から現在まで低出力レーザーであるHe-Neレーザーを用いて基礎研究および臨床研究行ってきた。そこで、これまでの研究結果を基に分子生物学的な解析を行い、低出力レーザーの照射効果を詳細に解析し明らかにすることを目的とする。 (1)細胞増殖能の測定結果 初年度における実験の結果、He-Neレーザー照射をすることにより、マウス結腸癌由来腫瘍細胞(Colon26 Cell)は細胞増殖能が抑制され、ヒト正常歯肉由来線維芽細胞(Gin1 Cell)では細胞増殖能が上昇、マウス正常結合組織由来線維芽細胞(L929 Cell)長期培養では抑制される事が示唆され、低出力レーザー照射が細胞の種類によって異なる細胞増殖傾向を示す事が明らかになった。 以上の事から、これまで既存の環境では本研究操作遂行が困難であったが,申請者らは申請交付により,初年度において実験系を確立し当初の目標を達成、それ以上の結果を得た。 これは実験計画を遂行する上で貴重な成果である。我々は引き続き実験計画に準じ、これらの結果を基に今後の実験(下記)を展開する事が可能となった。 (2)細胞内発現遺伝子の解析実験 前述の細胞増殖能の測定実験に加え、細胞の種類を増やし、得られた細胞からmRNAを抽出、RT-PCR操作を行い発現遺伝子の採取を行う。得られた遺伝子は電気泳動装置により発現を確認し、レーザー照射による細胞内でのシグナルおよび機能変化を確認評価する。 この実験では、これまで細胞の増殖能や形態変化だけの評価であったが、さらに細胞内における遺伝子レベルでの変化を詳細に評価する事が可能となる。
|