研究概要 |
本研究は顎筋膜疼痛の原因とされる睡眠関連ブラキシズム発生時の咀嚼筋内血流変化と自律神経反応の観察を目とした. [測定装置セットアップ]申請品の自律神経変化測定装置(TAS9, YKC cororation)を購入,既存の筋電計と筋内血流計と共にポリソムノグラフセットに組み込んだ.これにより睡眠時の「咬筋の活動量」「咬筋内の血流量」「自律神経の状態」を一晩中持続的に計測できるようになった. [測定値の分析]筋活動を分析するために国際的に認められているブラキシズム評価法(Lavigne et al 1996)に従って筋電計の結果をはぎしり様,くいしばり様,混合様の活動に分類,その発生回数と活動の度合をオートマチックに分類,解析するソフトを開発,本研究セットアップで正常に動作することを確認した. [予備実験開始]被験者に実験室に寝てもらい,上記装置を装着し,一晩就寝してもらった. [予備実験の結果]解析ソフトウエアにより,5.1時間の睡眠中に,はぎしり様25回,くいしばり様2回,混合型50回の睡眠関連ブラキシズム活動を確認した.はぎしり様とくいしばり様活動中の血流には変化がなかった(P>0.071).しかし混合型活動中に咬筋中の酸化ヘモグロビン量と総ヘモグロビン量が増加した(P<0.003).この状態が混合型活動終了後10分間持続した.また脱酸素ヘモグロビン量は混合型活動中に変化を見せず,活動終了と共に減少した(P<0.001).一方酸素飽和度は活動終了とともに増加した(P<0.001).上記は平成22年に開催される国際歯科学会にて発表する.自律神経反応については分析中. 平成22年度は本実験に入り,計測・分析終了,研究論文投稿まで行う.
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