研究概要 |
本研究でのモデル作製にあたり,ATRにて公表されている発音時MRIデータを使用して以下の研究を行った.発音時MRIデータから猪原らの方法に従い,3次元構築ソフト(Mimics 12.11, Materialise NV) を用いて声道を抽出し,STL (Standard Triangulated Language) 形式ファイルに変換後,3D作成ツール (FreeForm, SensAble Technologies, Inc.) を用いて,ラピッドプロトタイピング用データを作成した. 3Dプリンターにより声道模型を製作した.完成したの声帯相当部に,声帯原音をシミュレートした音源を設置し,声道模型を通過して口唇相当部より発せられる音声の収集を行い,5人の被験者による明瞭度検査と,Computer Speech Lab 4300 ( Kay Pentax USA )を用いてFFT分析を行った.その結果,/i/ 発音時の声道模型の作製に成功し,明瞭度検査では100%を示し,FFTを用いた音響分析では平均的なFormantときわめて近い位置に共鳴周波数が生じることを確認した.これにより,音声障害の出やすい/i/の音にターゲットをあてたシミュレーションモデルが確立されたといえる.
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