研究概要 |
申請者は,これまでに電子化ポートフォリオシステムを構築し,当施設の研修歯科医に対する教育システムは飛躍的に向上したが,現状のシステムでは研修歯科医個人へのフィードバックは可能であるものの,有用な学習項目を研修歯科医全員が共有するツールとしての整備には至っていない.従って研修歯科医に対する情報発信ツールを開発し,充実させることでこれまで以上に効率的,効果的な能動的学習支援体制が整うと考えられる.昨年度までに検討した機能追加コンテンツを本格導入,運用した. 〈eラーニング機能の追加〉 昨年度検討したコンテンツを,研修歯科医がいつでも自由に閲覧できるように現ポートフォリオシステムに機能追加した.内容としては,修復関連1項目,エンド関連4項目,歯周治療関連8項目,補綴関連3項目,インプラント関連2項目,口腔外科/全身管理関連4項目,その他2項目となっている.研修セミナーとして開催された内容のみならず,院外で開催された講習会や臨床における実際のケースなども含まれており,研修歯科医にとってとても有用であったと考える. 〈症例管理および治療計画立案システムの構築,活用〉 昨年度までに,患者毎にPOMRの記載要領に基づき,基礎データ,問題リスト,初期計画,経過記録,終了時(引継時)要約,監査修正を入力できるようにシステムの追加を行った.これまでは,紙ベースの研修センター独自の患者ファイル,電子化ポートフォリオに様々な情報が分散されていたが,今回の機能追加により情報を統合的に集約できるようになった.これにより,口腔内写真やレントゲン写真,歯周組織検査等のデータと治療計画,治療経過(毎回の診療時のまとめ,振り返り,指導医からのフィードバックを含む)が同時に見ることが可能となった.またこれらは,患者IDにより検索可能となっており,全ての研修医へ症例提示が可能となっている.
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