不十分なオーラルケアは口内炎や誤嚥性肺炎を誘発する。現在市販されているオーラルセルフケア製品について、抗菌力を調べることによって、どの程度その疾病を予防できるか考える上での指標となるともいえる。 市販義歯洗浄剤の様々な効力を測定するため、市販義歯洗浄剤5種、洗口剤2種についてのCandida albicansに対する抗菌力を測定した。ポジティブコントロールとして用いたamphotericin Bと比較して義歯洗浄剤についてはほぼ同程度の抗菌力を有する製品もあったが、菌種によって傾向が少し異なっており、今後も精査を要すると思われる。また、この実験に用いた義歯洗浄剤についてのCMC溶解性及び義歯安定剤溶解性などを含めた実験については申請書のとおり、JIS規格T6525-1:2005に準じて検討中である。本年度の研究を行う上で最も重要と思われる溶解成分の選定については、現在様々な成分を用いて検討中だが、市販義歯洗浄剤のpHは大きくばらついており、どのタイプの洗浄剤を選択するかによって、どの成分を選択するかが決まってしまうところがある。今後は至適pHなどの条件設定を行いながら、試作品の検討も行っていく予定である。 今後の研究については、研究代表者の所属変更もあることから、薬理学的手法も含めた研究も考慮に入れて進めていく予定である。
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