本研究では唾液分泌増強作用を有する生薬成分配合義歯安定剤の開発を目的とした。 本研究では、口腔乾燥症の治療効果がある生薬から抽出したエキスを使用し、これらの成分がラット耳下腺管腔膜のAQP5の分布および量に及ぼす影響、組成成分が試作材料の粘度、粘着強さに及ぼす影響、セリシンが材料の表年ぬれに及ぼす影響などについて測定を行った。その結果、セリシンは材料表面ぬれの改善に一定の効果があり、義歯安定剤の組成成分を適切に組み合わせることにより、耐久性が改善でき、さらに口腔乾燥症に有効である生薬成分の配合も可能で、口腔乾燥症に用いる唾液分泌増強作用を有する生薬成分配合義歯安定剤の開発が可能であることが示唆された。
|