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2009 年度 実績報告書

嚥下機能低下に対する口腔容積マネジメント

研究課題

研究課題/領域番号 21791900
研究機関広島大学

研究代表者

吉川 峰加  広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (00444688)

キーワード嚥下 / 咬合 / 高齢者 / 舌圧 / 歯科補綴
研究概要

本年度は広島大学病院ならびに某療養型医療施設にて得られたVF/VEデータを用い研究を実施した.
●目的 口腔容積の変化が摂食嚥下機能に及ぼす影響の検討
●方法 高齢頭頚部ガン患者・外傷患者(下顎亜全摘オペ後・咬合支持なし)5名(男性2名,女性3名,年齢46-79歳):A群ならびに高齢脳神経疾患患者(無歯顎・女性4名,年齢65-80歳):B群とし,いずれの被験者も義歯や口腔内装置を長期にわたり装着していなかった者とした.舌接触補助装置(PAP)付義歯の装着前と装着1カ月後にVFまたはVE検査を実施し,誤嚥,喉頭流入,口腔・咽頭残留の有無等の定性的評価を行った.各被験者によって摂食嚥下機能のレベルが異なるため,同一被験者内で比較する食品物性は液体・ゼリー・ペーストと様々であったが必ず統一を図った.
●結果 PAP付義歯の装着前では舌尖アンカー機能やスムーズな舌搾送運動の低下が確認され,口蓋・口腔底・奥舌部などの口腔内や喉頭蓋・梨状陥凹などの咽頭内への食物残留や,口腔通過時間の延長を認めていた者が装着1カ月後には改善傾向を示した(A群全員,B群3名).しかしながら,喉頭流入・誤嚥に関しては基礎疾患の悪化により改善しない者も見られた(A群3名,B群1名)
●考察 咬合支持の喪失に加えて基礎疾患により口腔機能低下が認められた被験者にPAP付義歯を装着し口腔内容積をコントロールすることで,口腔期嚥下障害の改善に貢献できることが明らかとなった.しかしながら,義歯を長期に装着していなかったため,口輪筋や頬筋の緊張・舌の巨大化等からまずは口腔のリラクセーションを必要とした者や,装置になじめず研究終了後には装着を断念した者もいた.今後は脳卒中急性期にいつから義歯を装着するほうが,装着しないよりも嚥下機能が改善するのか,また認知が進行してきた場合に,いつ位から義歯をはずした方が嚥下機能が安定するのかなど調査する必要があり,知覚・認知や口腔機能といった多要素を加味し口腔容積のコントロールの検討を進めたい.

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (7件)

  • [雑誌論文] Comparison of three types of tongue pressure measurement devices2010

    • 著者名/発表者名
      Yoshikawa M., Yoshida M., et al
    • 雑誌名

      Dysphagia (掲載決定)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 摂食・嚥下障害ならびに構音障害に対する口腔内補助装置の適用に関するデータベースの構築2010

    • 著者名/発表者名
      佐々木啓一, 小野高裕, ほか
    • 雑誌名

      日本歯科医学会誌 29

      ページ: 72-76

    • 査読あり
  • [学会発表] 食べるための咀嚼・嚥下機能検査2010

    • 著者名/発表者名
      吉川峰加
    • 学会等名
      連携機能を活用した口腔からQOL向上を目指す研究ロ腔QOL連続シンポジウム
    • 発表場所
      徳島市
    • 年月日
      2010-02-22
  • [学会発表] 歯科補綴学の専門性を生かした口腔リハビリテーション医を目指して2009

    • 著者名/発表者名
      吉川峰加
    • 学会等名
      歯科補綴ウインタースクール淡路2009
    • 発表場所
      淡路市
    • 年月日
      2009-11-13
  • [学会発表] 簡易型舌圧測定装置を用いた健常高齢者における口腔周囲筋の圧力測定2009

    • 著者名/発表者名
      丸山真理子, 岡田源太郎, 吉川峰加, 吉田光由, 津賀一弘, 赤川安正
    • 学会等名
      日本咀嚼学会第20回記念学術大会・総会
    • 発表場所
      福岡市
    • 年月日
      2009-10-03
  • [学会発表] 要介護高齢者のための易咀嘱性パンの新開発2009

    • 著者名/発表者名
      吉川峰加, 吉田光由, 庄林愛, ほか
    • 学会等名
      日本咀嚼学会第20回記念学術大会・総会
    • 発表場所
      福岡市
    • 年月日
      2009-10-03
  • [学会発表] 脳卒中後遺症における構音障害,咀噛・嚥下障害に対する簡易型舌圧測定装置を用いた口腔リハビリテーション2009

    • 著者名/発表者名
      吉川峰加, 森理恵, 金久弥生, ほか
    • 学会等名
      第15回日本摂食嚥下リハビリテーション学会学術大会
    • 発表場所
      名古屋市
    • 年月日
      2009-08-28
  • [学会発表] 要介護高齢者に食べやすいパンの新開発2009

    • 著者名/発表者名
      吉川峰加, 吉田光由, 庄林愛, ほか
    • 学会等名
      第15回日本摂食嚥下リハビリテーション学会学術大会
    • 発表場所
      名古屋市
    • 年月日
      2009-08-28
  • [学会発表] 脳卒中後遺症の口唇閉鎖不全に対するリハビリテーションの-症例2009

    • 著者名/発表者名
      吉川峰加, 丸山真理子, ほか
    • 学会等名
      第118回日本補綴歯科学会学術大会
    • 発表場所
      京都市
    • 年月日
      2009-06-07

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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