研究概要 |
本年度の研究成果として以下,研究計画に挙げた被連結試料別に記載する. 1.「アルミナセラミックス」「ジルコニアセラミッラス」について 低温焼結性アルミナ(大明化学工業)または易焼結グレードジルコニア粉末(東ソー)を使用して連結試験を行っている。分散剤としてポリアクリル酸アンモニウム塩、消泡剤としてポリオキシアルキレングリコール誘導体、焼結促進添加物として酸化マグネシウムを添加して連結材を作製しているが、焼結したスリップ内部に気泡か残留し、末だ十分な強度が得られていない。現在は分散剤、消泡剤、焼結促進添加物の添加量を変えて試験を行っている。また、連結材料作製手順と焼成スケジュールについても検索を行い調整している。 2.「アルミナ・ジルコニアのコンポジットセラミックス」について アルミナとジルコニアからなるスリップ材を連結材料として用いて、VITA社製In-Ceram ZirconiaのCAD/CAM用ブロックを連結した。連結材料に焼結促進添加物である酸化マグネシウムを微量添加することで連結強度が向上し、連結部のないコントロールに匹敵する曲げ強さを得ることができた。 まとめ 現在のところ、アルミナ、ジルコニア単体の連結材料について、スリップの組成、作製手順、焼成スケジュールを変え最適な条件を模索中である。今後は得られた連結材料について、破壊靭性試験と線収縮率計測を行い臨床応用の妥当性を検証する。また、実験データをまとめて、学会発表および論文発表を行っていく。
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