研究概要 |
本年度の研究成果として,研究計画にあげた被連結試料別に記載する. 1.「アルミナセラミックス」「ジルコニアセラミックス」について 前年度と同様に,アルミナセラミックスでは低温焼結製アルミナ(大明化学工業)を,ジルコニアセラミックスでは易焼結グレードジルコニア粉末(東ソー)を使用して連結試験を行っている.懸濁液の分散剤としてポリアクリル酸アンモニウム塩,消泡剤としてポリオキシアルキレングリコール誘導体,焼結促進添加物として酸化マグネシウムを添加して連結材を作製した.また,粒子表面のゼータ電位を抑え2次粒子の生成を抑制し,セラミックス粒子の分散を高めるために,塩酸と水酸化カリウム水溶液を使用して,溶媒のpHを調整したものを使用した.部分安定化ジルコニアの被連結材料としてZENO(WELARD社)を使用して3点曲げ試験を行ったが,連結強度は180MPa程度となりメーカー公表の曲げ強さ(1200MPa)には至らなかった. 2.「アルミナ・ジルコニアからなるコンポジットセラミックス」について 前年度の研究で,アルミナとジルコニアからなるスリップ材を連結材料として用い,VITA社製In-Ceram ZirconiaのCAD/CAM用ブロックを連結したところ,酸化マグネシウム粉末を微量添加することで有意に連結強度が向上した.連結材料の破断面を走査型電子顕微鏡にて観察したところ,構造体内部に残留する気泡の数とその大きさが減少している像が観察された.
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