研究概要 |
粘膜負担圧分布 中間欠損模型を用意し,圧力センサー(PS-10KBM,PS-10KAM,協和)を3歯欠損相当部に計3つを設定し粘膜負担圧を測定し,咬合力として5Kgの荷重を与えた.試料は12%金銀パラジウム合金製の金属レスト付き,金属レストなしポリアミド系合成樹脂義歯および金属レスト付きアクリルレジン床の3種類を用意した.結果,金属レストを付与したポリアミド系合成樹脂義歯はアクリルレジンと比較して粘膜負担圧は大きかったものの,レストなしと比較して有意に小さい負担圧を示したことから,金属レストは咬合力の粘膜負担圧軽減に有効であると示唆された. 軟質裏装材の接着強さ 各種熱可塑性合性樹脂を用いて,軟質裏装材との接着強さを検討した.各種熱可塑性樹脂を2.0×2.0×1.0mmの板状試料にメーカー指示に従い,射出成形,形態修正を行った.試料の表面は#600のエメリー紙にて研磨後,50μmアルミナサンドブラスト処理を行った.また接着材として4META/MMA-TBBレジンを用いた.熱可塑性樹脂にはポリアミド系,PET系,ポリカーボネイト系を使用し,軟質裏装材にはシリコーン系,アクリル系の2種類を選択した.軟質裏装材の厚みが0.2mmになるように専用のジグを用いて,固定した.重合後,万能試験機を用いて引張試験を行い,接着強さとした.結果シリコーン系は専用の接着材の使用を必要とするが,アクリル系の軟質裏装材と比較して,有意に高い接着強さを示した.またさらに接着材として4META/MMA-TBBレジンを用いることにより,より強固な接着が得られることが明らかとなった.
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