研究概要 |
生体吸収繊維である「ファインフレックス」に、溶解させたリン酸三カルシウム(α-TCP,β-TCP)とハイドロキシアパタイト(HAP)を粉霧させ,自然乾燥させた。これをそれぞれ5回繰り返すことで、生体吸収繊維にリン酸カルシウムのcoatingを行った。この状態では比較的容易に剥離されるため,それぞれの材料を1200℃の高温処理をさせ,リン酸カルシウムの高結晶化による生体吸収繊維との一体化をさせた。このリン酸カルシウムcoating繊維を蒸留水中に浸漬させ,その溶液のpHを測定した結果、pHはほぼ中性を示した。焼結温度を600℃、800℃、1000℃、1200℃と変化させ,引張り試験を行い強度測定を行った所、1000℃で焼結させたものが最も強い強度を示した。このリン酸カルシウムcoating繊維をdisc上の形態にし,その上に家兎脛骨から採取した破骨細胞を播種する破骨細胞様細胞培養5日目の材料をにて観察を行うため,オスミウムとグルタールアルデヒドによる2重固定を行い,さらに炭酸ガスによる乾燥後イオンコーチィングを行った。この試料を用いて走査型電子顕微鏡による破骨細胞の接着ならびに吸収過程を現在観察中である。
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