研究課題
本研究の目的は、接着タンパク制御による新たなインプラント材料を解明することであり、インプラント体と口腔粘膜上皮との生物学的封鎖の向上、および経時的加齢の変化について研究を行った。平成22年度の研究成果について、経時的上皮組織の加齢を想定してマラッセ上皮遺残細胞を12継代まで培養を行い実験に用いた。また、歯槽骨骨髄細胞を想定して、大腿骨骨髄細胞を4週齢および80週齢の雄性ラットより採取し、機能変化をPCR法にて骨関連タンパクmRNA発現量を検索した。マラッセ細胞は試料上にて培養し、細胞形態をactin filament、接着関連タンパクであるTotal-ErkおよびFocal adhesive kinese、免疫関連タンパクであるβ-Defensin、インターロイキン(1,2および6)のタンパク発現を蛍光抗体法による形態観察を行った。チタン試料上での培養は、通常培養と比較して細胞増殖の割合、細胞形態の伸展に変化が認められ、接着タンパクの発現が減少した。また、加齢モデルの細胞は免疫関連タンパクの発現が減少した。骨髄細胞のmRNA発現量は、細胞増殖および骨形成因子であるBMI-1およびcbfal-α発現量に変化が認められ、P57遺伝子発現変化から細胞老化が認められた。以上の結果より、チタン試料上での加齢モデルを用いた実験が可能であり、加齢による変化として接着タンパクの減少、および骨関形成関連因子の減少が認められた。
すべて 2011 2010
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)
Clinical Oral Implants Research
巻: DOI:10.1111/j.1600-0501.2010.02118.x
International Endodontic Journal
巻: 43 ページ: 221-231
Journal Periodontal Research
巻: 45 ページ: 421-427