常在性の細菌やウイルスの侵入に常にさらされる口腔内において組織が恒常性を保つためには、口腔内に特異的な免疫機構を有するものと推測される。それゆえ申請者は、RIG-Iの役割について解析を行い、同遺伝子を用いた遺伝子治療につながる基礎的研究を行ってきた。本研究においては、これまで遂行してきたRIG-I遺伝子の機能解析に加えて、口腔癌由来細胞株を用いて同遺伝子のシグナル伝達経路を明らかにし、口腔癌細胞の細胞周期を制御することを目的とする。本研究は臨床的応用においても有用であり、新たな遺伝子治療に発展する可能性を包含している。即ち、将来的には、遺伝子治療による細胞周期制御と免疫治療を含包した全く新たな癌治療法の開発につながる可能性も想定される。
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