研究概要 |
我々は既に(1)Pin1が口腔扁平上皮がん(OSCC)において過剰発現していること、(2)Pin1の発現がCyclinD1の過剰発現と相関していること、をmRNA及び蛋白レベルで明らかにすると共に、(3)Pin1阻害剤により細胞周期停止が起こり、細胞増殖の制御が誘導される事を確認した。本研究の実績概容として、1.口腔がん(HSC2,HSC3,HSC4)、大腸がん(HCT116)、卵巣がん(OVK2,SKOV3)、肝がん(HLE,HEPG2,Huh7)cell lineにおいて、Western blottingによりPin1蛋白の発現を定量したが、特に肝がんのcell lineではいずれも発現量が他のcell lineより少ないことが分かった。 2.Pin1阻害剤を用いたassayにより、上記全cell lineにおいて細胞増殖が制御されることを前年度に確認したが、やはり肝がんのcell lineではIC50が高値を示しgrowth inhibitionが低いことを突き止めた。続いてHCT116、SKOV3でPin1阻害剤の効果が小さかった。 3.上記全cell lineにおいてPin1のmutationは認められなかった。 4.Pin1阻害剤を用いたassayにより、S期の細胞が若干増加することが分かった。又、Cyclin D1,Bの発現はdown regulateされるがCyclin A,Eはほぼ影響を受けないことが確認された。Pin1抑制によるp53発現の変化は現在研究中である。 現段階で未到達であり、今後の課題及び予定は下記のとおりである。 ・Pin1 RNAiの合成については現在検討中 ・マウスを用いたin vivoにおける増殖能について
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