(1)口腔がん細胞株を用いてPin1 高発現細胞株の樹立を行った。その増殖能についてcontrolと比較した所細胞増殖速度の上昇を示唆する結果が得られた。(2)Pin1高発現株ではCyclinD1の発現も有意に増加しており、細胞増殖におけるPin1-CyclinD1機構が口腔がん細胞株においても確認された。(3)口腔がんを含む各種(大腸がん、卵巣がん等)細胞株においてPin1蛋白の発現を定量したが、特に肝がん細胞株ではいずれも発現量が他のがんより少ないことが分かった。(4)上記全がん細胞株においてPin1の変異は認められなかった。(5)Pin1阻害剤を用いたアッセイにより、48 時間後に細胞周期がS期に誘導されることを発見したが、特異的な細胞周期停止は認められなかった。
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