口腔扁平上皮癌細胞株(HSC-3)において、DNMT阻害剤(ZEB;Zebularine)の血管新生因子(VEGF-A)について解析した。SAHA、ZEBともにVEGF-Aの産生を抑制した。このメカニズムとして、ZEBによるHypoxia-inducible factor-1a(HIF-1a)が分解されるが、これがPI3K/Aktやp53のシグナルの経路を介さないことが示唆された。 また、癌の増殖、血管新生・転移に関連するEGFRのアンタゴニスト、Cetuximabの効果を各種抗癌剤(5-FU、CDDP)と併用し解析した。HSC-3、HSC-4において、抗癌剤単独処理に比較して5-FUとCetuximabを併用することで、アポトーシスが増強したが、一方でCDDPとの併用では増強は認めなかった。この増強のメカニズムとしてPI3K/Akt経路の関与が示唆された。
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