研究概要 |
本年度は気管平滑筋におけるGABA_B受容体を介した気管平滑筋収縮機構を中心に研究を行った。 1.モルモット気管平滑筋は、GABA_B受容体作動薬(baclofen)により収縮した。 2.GABA_B受容体作動薬(baclofen)投与により、transient phaseの細胞内Ca^<2+>濃度は用量依存性(1μM-1mM)に増加した。またこれらの増加はGABA_B受容体拮抗薬(CGP35348)投与により遮断された。 3.GABA_B受容体作動薬(baclofen)投与により、IP_3合成量は用量依存性(1μM-1mM)に増加した。またこれらの増加はGABA_B受容体拮抗薬(CGP35348)投与により遮断された。 4.G_i蛋白阻害剤(pertussis toxin ; 100ng/ml)、PLC阻害剤(U73122;5μM)投与によりbaclofen(100μM)によるIP_3合成量・細胞内Ca^<2+>濃度増加は抑制された。 以上の結果は気管平滑筋上のGABA_B受容体がG_i蛋白及びPLCを介して細胞内Ca^<2+>濃度及びIP_3合成量を増加させ、気管収縮をもたらす可能性を示唆するものである。 次年度は上記の結果を元に,さらに詳細な細胞内シグナリング機構の解明を行う予定である。
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