研究概要 |
本年度は咳反射の実験モデルの確立を行った。また咳反射と同様に延髄を介する副交感神経反射である体性-副交感神経反射性血管拡張反応を実験モデルとして研究を行った。 1.三叉神経脊髄路核中間亜核または下唾液核へのGABA(100μM-1mM)の微量注入(0.3μL)により、本反射は20-50%の抑制を受けた。 2.三叉神経脊髄路核中間亜核または下唾液核へのGABA_A受容体作動薬(muscimol,100μM)の微量注入(0.3μL)により、本反射は60%程度の抑制を受けた。この反応はGABA_A受容体拮抗薬(bicuculline,1mM)の同核への前投与により遮断された。 3.三叉神経脊髄路核中間亜核または下唾液核へのGABA_B受容体作動薬(baclofen,100μM)の微量注入(0.3μL)により、本反射は50%程度の抑制を受けた。この反応はGABA_A受容体拮抗薬(CGP35348,1mM)の同核への前投与により遮断された。 次年度は咳反射実験モデルに上記の手法を適用し、静脈麻酔薬投与時の咳反射抑制機構に関する研究を引き続き行う。
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