研究概要 |
Migration Stimmulation Factor(MSF)は癌細胞に対する細胞遊走促進作用および血管新生作用を介して癌の進展に寄与している。そこでMSFが抗癌剤との併用療法において新規分子標的となりうるかについて、当教室の有する4種の口腔扁平上皮癌細胞株(BHY, TYS, HNT, HSC3)を用いて検討した。 (1) MSFのノックダウンと抗癌剤の併用が細胞増殖に与える影響を検討した MSF siRNA単独処理、抗癌剤(TXT, CDDP, 5-Fu)単独処置、MSF siRNA+抗癌剤処理で比較検討したところ、MSF siRNA単独処理では細胞増殖を抑制する傾向を認め、抗癌剤単独処理では細胞増殖を優位に抑制した。併用処理では相加的な細胞増殖抑制効果を認めた。 (2) MSFノックダウンと抗癌剤の併用が血管新生に血管新生に与える影響を検討した 上記処理時の培養上清を用いて、血管内皮細胞の遊走能を検討したところ、培養上清の濃度依存的に、血管内皮細胞の遊走能が増強された、 MSF siRNAと抗癌剤の併用療法はvitroでは細胞増殖抑制効果は相加的に過ぎなかったが、血管新生抑制効果を発現したことより、vivoでの抗腫瘍効果が期待できる。
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