研究概要 |
Migration Stimmulation Factor(MSF)は癌細胞に対する細胞遊走促進作用および血管新生作用を介して癌の進展に寄与している。そこで、平成21年度にMSFが抗癌剤との併用療法において新規分子標的となりうるかについて検討したところ、MSF siRNAと抗癌剤の併用療法はin vitroでは細胞増殖抑制効果は相加的に過ぎなかったが、血管新生抑制効果を発現したことより、in vivoでの抗腫瘍効果について検討した。 動物実験モデルにおける腫瘍縮小効果 口腔扁平上皮癌細胞株B88担癌ヌードマウスモデルにおいて、MSF siRNA単独処理、抗癌剤(TXT,CDDP,5-FU)単独処置、MSF siRNA+抗癌剤処理で比較検討したところ、いずれの処理においても腫瘍増殖の抑制効果を認めた。 残存腫瘍における血管新生抑制効果 残存腫瘍におけるVEGF、IL-1α、IL-6、IL-8の発現を免疫組織学的に検討したところ、有意差は認めないがMSF siRM+抗癌剤処理において、上記サイトカインがより多く発現しておる傾向を認めた。CD105陽性腫瘍内血管数、血管密度は各処理間に相違はなかった。
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