アンドロゲンレセプター(AR)は前立腺癌に発現しており、すでにホルモン療法が確立されている。一方、唾液腺癌においてもアンドロゲンレセプターが発現しているという報告がなされているものの、唾液腺癌におけるARの役割は明らかにされていない。そこで本研究では、唾液腺癌におけるARを標的とした治療の可能性について検討した。唾液腺癌組織および唾液腺癌由来培養細胞株におけるARの発現の有無について検索を行った結果、いずれの組織・細胞株においても発現が認められなかった。唾液腺癌のAR発現頻度はあまり高くないと考えられ、ホルモン療法の適応となる症例も多くないと考えられた。
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