22年度に終了したBRAKのプロモーター領域の特定に基づき、メチル化及び非メチル化癌細胞群のスクリーニングをし、また、この現象が、BRAKの作用によるものであるかどうかを検討することを目的としていた。以前に、予備実験ではあるが、メチル化を受け、ゲフィチニブによってBRAKの発現が回復しない癌細胞では、ゲフィチニブはin vivoで抗腫瘍効果を示さない結果を我々は得た。一方、デシタビン腹腔投与によってBRAKのプロモーターが回復しているがん細胞においては、デシタビンで抗腫瘍効果が確認でき、さらにゲフィチニブがその効果を増強する結果を得ている。本結果が、BRAKの遺伝子発現によるものであるかどうかを検討するため、YCU-H891のBRAK強制発現細胞をウイルスベクターを用いて作製し、ヌードマウスの背部皮下に移植し確認した。結果として、BRAKを強制発現している細胞においてはin vivoにおける腫瘍増殖能が低下する結果を得た。また、22年度に明らかにしたメチル化部位については、スクリーニングに用いるためのプライマー(MSP用)を作製するためアライアンスバイオシステムズの委託サービスを用いて作製を行った。
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